Tear(2016「Tear」)
2016年8月30日
有希乃さんが世に出るきっかけとなった曲です。そして個人的な経験もあって、私が有希乃さんの歌が好きな理由はこれなのかなあ、と勝手に合点したことでも、印象に残る曲です。有希乃さんがこの曲を作られたのは高校生の時で、鹿児島から東京に生活が変わった頃の自分の気持ちを曲にしたと述べていますが、そういう意味でも転校経験のある人間がこれを聴いたら、多分「わかるよ、それ!」があると思います。私も2度の転校経験があり、それが良くも悪くも自分の人生観や人格形成に大きな影響を及ぼしていると思いますが、おそらく有希乃さんのさまざまな曲の中で描かれている「孤独感」は、周りとは違う異邦人のような自分の感覚を転校で経験していることが大きく影響しているような気がしています。「ぼくが涙を流す意味なんて 誰も気にかけないし それでいいんだけどさ」「僕が涙を流すのは この街を眺めた時」「僕の意志じゃないけれど 僕が望んだことだった」「何度目を背けても愛しいままの思い出は 忘れたいと嘆きながら今でも守っているよ」なんて歌われたら、オジサンもあの頃の自分を思い出してしまいました(泣)。有希乃さんの出発点として、ぜひ聴いてもらいたい曲です。