原曲収録：高橋優「リアルタイム・シンガーソングライター」(2011)

（管理人より）初めて聴く曲でした。高橋優のポジティブな曲調はよいですよね。映画で使われていることで知ったのも多くて「陽はまた昇る」（『桐島、部活やめるってよ』）や、「旅人」（『東京難民』）などがいいなあと思いました。
　原曲が高橋優の愚直でパワフルな歌い方でエネルギーを伝えているとすると、有希乃さんの歌い方は、のびのびとした朗らかさとでも言えばよいでしょうか。何とも言えない暖かさが伝わってきます。前回の「爆弾魔」が助けを求める立場の曲だとすると、こちらは手を差し伸べる立場の曲です。この２曲をセットで捉えてみると、有希乃さんの表現力の豊かさが感じられます。どちらの曲も表現として伝えたいことは、はっきりとしている。一歩間違えると押しつけがましくなってしまう詞の世界が、すーっと聴き手の心に届いてくる。「爆弾魔」が突き放している乱暴な表現の中にふっと自分の本音を漏らしているのに対して、こちらはふわっと包み込むようではあるけれど、肝心な部分は簡単に動かないような強さがあります。だから聴いていて「うんうん、そうだなあ･･･」という穏やかな気持ちで充たされてくるのです。
　時々書きますが、今回の歌動画も音だけで楽しむと、またいいんですよ、スッゴク！　もともとの声の力に表現力の高さが加わっている凄さは、ファンとしてはとっくに理解していることなのですが、それでも歌動画のアップごとに、いつも「いい歌を聴いたなあ」という気持ちになります。そしてステイホームの今だからこそ余計に、今回の歌動画の素晴らしさが実感できると思います。

＜メイキング＞